連載コラム

「ー生命ある食べ物、安全な食べ物とは?その③ー」

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2023.06.10

 日本の伝統的な食養学だけでは、事は片付かなくなりつつある。ほとんどの人々はスーパーマーケット、コンビニ、百円ショップに依存して生活してすでに数十年もたつ。

 すでに人の身体に変化が出て進化生物学で明らかな問題も出ていると私は考えている。遺伝子組み替えやゲノム編集された植物や動物は自然界にどのような影響を与えるのだろう?

 人も自然の一部であるので当然すべては人に戻ってくる。すべての生命体が一部の企業のコントロール下に入る気がする。国籍も関係なくお金儲けのための手段で植物や動物たちが支配されているようにほとんどの人も商業の原資、手段として使われる様になる。

 既に医療産業は大きな業界である。人をコントロールするには食糧をコントロールするとよいのだ。日本の伝統食でなくても日本で生まれ育った私には日本の漬物や発酵食品はとても大切な食材である。

 私はお茶も漬物もほとんど自分で作ってきたが、たまには市販のものも口にしていた。

 2021年日本漬物業界は食品衛生法が改正されたため。許可が無ければ農家や水産業界は漬物や海産物製品が作れなくなったという。許可にはHACCP{ハサップ}に対応する設備や生産工程を経なくてはならなくなった。

 HACCPは、もともとはNASAとアメリカ陸軍研究所などの、アポロ計画の中で、宇宙食製造のために開発した衛生管理法という。宇宙食には生命があるのだろうか?

 人の体にはたくさんの細菌が共存している。「あなたの体は9割が細菌」{アランナ・コリン著。河出文庫}という面白い本がある。

 日本のHACCPの対象は日本の農業、水産業全般に及ぶというのに反対に輸入品は対象外という。日本は食糧を意識的に海外企業へ依存させてゆく。

 「医、食、住、教、法」が生きるための最低要素、条件であると私は結論付けたが、まさに現世は正反対だ。でも悲観しなくてよい。農家の人たち。水産業の人々が長年の経験から身に付けてこられた智慧を一般市民に公表していただければよいだけである。

 一人一人が出来るだけ地産地消で自分たちで野菜を育て物々交換でもいいのではないか?

 まさに一部生活の中で一万三千年前狩猟採集民に戻って、助け合って生きればよい。都市も耕せばよい。一部日本の地方では実行されているのだ。大切なのは自分たちが法を握ることである。アメリカの大富豪が必死に農地を買いあさっているとうわさされるが、地球上の90%の人々は住の確保が難しいのでないか?地球は一体誰のモノだろう?

 生存について考えさせられる時代だ。第6次地球大量生命体絶滅期に突入と言われる昨今、それを食い止めるのは日本の皆さんの生命力であると信じる私である。