連載コラム

「ー今は亡き連れ合いのファイルから 【1】-① 」

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2023.06.28

 私設瑞兆医研、1960年頃は人生でドン底生活をしていた。私の肉体は臓器摘出を病院で言われるくらいにボロボロで、経済生活も言葉にならない。学校ではテスト、テスト攻めの解剖学の授業も始まっていた。退学届を久保田くら先生にも出してしまった。でも先生は握ってくれていた。19歳の時に知り合っていた彼{のちの連れ合い}も貧乏学生で信じられない経験をしていた。

 ある日刺客のチンピラに追われて逃げ回っていたのだ。私はそれを目撃した。彼が何故そういう立場になったか?台湾人はよく誘われるが、政治にかかわりたくない彼は「お断りをした」だけの問題だ。こんな経験は結婚した後私たち夫婦ともに、日本、台湾で、アメリカでも経験することになる。そんな時代があった。私と彼の名前で「瑞兆」という名前を思いついた。縁起が良いので楽しくなる。

 苦しい時は夢で良いから希望を考えよう。今60数年かかったが、やっと目標に達した。ついこの前の様に思い出が噴き出す。人生は瞬くほどの時間とは本当だ。私はなんでもトロイので時間がかかり過ぎると若い家族から言われる。でも紙一枚裏表を確認しないとシュレッダーに入れられないのだ。連れ合いは黙々と学習するタイプ。学者タイプが会社経営という不適合な仕事について、大失敗した。人は自分一人で仕事をする方が安全だと学習した。彼が残したファイルを整理し始めた。