連載コラム

「ー総復習、総括作業で気が付いたこと。其の③ー」

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2023.08.29

 最新科学医術だけでは人は生きて行けるのでないと私は日本でさんざん経験してきた。私がホモサピエンスのメスとして生まれてきたのは、将に運命的である。今は環境ホルモンのせいか、その雌雄の区別がはっきりしなくっなった。もともと人には両方の性ホルモンがある。

 K・ローレンツ博士は「雌雄の区別がはっきりしなくなったらそれは絶滅種の前兆」と書いておられたが、いかんともしがたい。

 一人ずつがそんな時代でどう生き抜くか?だけが問題だ。人は歴史的時間軸から離れて生きられず、与えられた条件で生きる以外ない。もともと人は生まれ持って不平等で不公平で不自由な檻の中での生活だ。人口密度が低ければ少しは楽に生きられるかもしれない。ともあれ私は私の面前に来られる女の子達には出来る限り伝えてきた。「女の子だからこそ学習に力を入れてください」「出来る限り早くに何か医療資格を取って経済的に自立することを考えてください。それから結婚を考えてくださいね。」「女の身体は男のおもちゃでありません。公衆便所にならないでください。{私は中学一年で教わった。とても大切な教えだと思う}」

 男から見て「女はかわいくて見せびらかしたい美人。おもちゃとして遊びたい相手、そして奥さんとして自分の私生活でいい生活をしたい、いい子孫を育ててくれる利口な女性、最後は紐になって自分は楽しみたい、そんな女性を望みます。」と教えられたのは私がまだ医学生の頃だった。経済的自立もたくさんあるが、戦争の時でも穏やかな時でも「他人様に役立ち自分や自分の家族を助けることが出来る実力、いざとなれば雇われないで自立できるそんな仕事を考えてください。」と言い続けてきた。

 基本は食べ物の正しい知識で在り、いざ具合悪い時の手当てである。いま自然災害も多く、何かが有った時医療者に何かしてもらおうと考える方が甘いのだ。まして戦争となったら、避難場所に爆弾が落ちて来るようなものだった。女性は生物として生命を繋ぐ役割がある。それが自然であるし、恋愛と結婚は別物{これはインターン時代当直中にH教授が私達の所へ来ておしゃべりしてくれた}。

 女性という性は哀しいものだと今でも思うがこれも仕方がない。ありのまま受け入れるしかない。

 そうした女性が妊娠して子どもを出産すると言う過程で

 経膣出産か帝王切開かいずれも大きな負担がある。

 西洋医学ではそれらについてもいろいろこまごまと研究されているが、私から言うと不調の原因は体外にあると考えている。

 ところが日本の伝統統合医療の考え方は体内の問題と捉え、初めから女性が不妊症にならないように、流産しない体つくりに胎児がすくすく育つようにきちんと食養生、養生法があり鍼灸、マッサージ、漢方薬が用意される。民間療法でもある。私は妊婦さんには、必ず鍼灸の先生へ行くことをお勧めしていた。漢方薬もあるが人によって飲みたくないのだ。逆子になっても鍼灸では簡単に正常分娩が出来るように出来る。妊娠後期の急性高血圧だって鍼灸の知識が有れば生命を落とさずとも済む。乳腺炎でも抗生物質などは不要で収まる。もっとすごいのは出産直後から2か月間服用する漢方薬で、出産婦は大したことはなく恙なく妊娠前に戻れる、母乳が出にくかったらそれなりの自然療法、民間療法があるのだ。ただ問題は、人は同じ人はいないので、帝王切開だってありうる。

 つまり非科学的、科学的知識が両方ともあれば病人は助かるという事だ。日本では今火の鳥のごとくに再生期にあると私は知っている。私は何も口出しする必要は無いのだ。ただ日本にいる人々はおとなしく私はその宣伝係に過ぎない。世界の人々が生き延びたかったら、日本語を学び日本の文化、特にその医療文化を学習して下されば、少しは生きやすくなると私は信じている。私の経験である。これらはインターネットでも少しは発表されているが、うっかりするとWELQ問題とか、偽医学として叩かれる。エビデンスと要求される。私に言わせると数字確率データが大切なのではない。医療においてはその人が生きて普通に生活できるか?が問題なのだ。笑われるかもしれないがこんな例があった。ある女性一か月以上も医師の世話になって服薬していた。でも下痢は止まらないという訴えだった。私は漢方薬の処方もいろいろ考えたがまず食養生だ。

 そして日本の昔ながらの「山芋、リンゴ、梅干し餅」の作り方を伝え試してもらった。数日して本人からの電話。

 「一回で収まりました。今迄の治療は何だったのでしょう?」

 良くなればそれで終わり。私の心の負担は減った。その他今でもいろいろ相談は来る。ほとんど食養生を基本にご自分で出来る手当をしてもらう。昔から日本には沢山その知識智慧があるのだ。そしてお近くの漢方医学、中医学を学んでいる医師達、鍼灸師の先生方へ行くことをお勧めする。自分の手当てで簡単に治療できる場合だって多い。先進国最先端医療の研究者や医師達に「縦書き社会の非科学的かも知れない手当も学んで欲しい。」と願う。

 代表格は日本である。

 そうすれば少し本当の病人の苦しさが理解できるかもしれない。医療の理想は「身近でお金もかからず、将来に渡って苦しくない事」地球上で何万年も人々が経験して生き抜いてきたのだ。その知識智慧が日本に今まだ残っているとお伝えしたい。

 人類生存最後の防波堤だ。全人類で大切に扱ってそこから学習してほしいと願う私だ。

 その上に最先端の医術を重ねて行けばよい。