連載コラム

「ー「植物学と漢方医学」②ー」

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2023.04.06

 葉緑体を持っていても、緑色とは決まっていません。たとえば海藻などがそうで、それは他の色素、例えば赤褐色の色素を持っていれば、赤褐色に見えるからです。

④植物には感覚器官や神経系がない。
 つまり植物には司令部である脳がありません。植物は自分本体が成長し、生殖して子孫を残す{実を結び、種を残す}というパターンで存在するので、脳が必要ないのかもしれません。

⑤植物は消化器官がない。
 植物は栄養を自分で作るのです。生き残るための必要最少機能しか持たないのです。

⑥キノコは、植物とは言いません。
 寄生生物に分類されます。光合成するための葉緑体も持っていないのです。寄生生物には2種類あって
 イ 全寄生植物。代表は熱帯雨林の「ラフレシア」ですが茎も葉もなく、大きな花を咲かせるだけだそうです。
 ロ 半寄生植物。代表は、「ヤドリギ」です。寄生はしていますが、自分で光合成もして、宿主である植物からも栄養や水分を吸い取っています。漢方薬{桑寄生}にも使われますし、縁起が良い植物とヨーロッパでは好まれています。

⑦食虫植物は、光合成をしない。
 ほかの生物の生命を取るものです。ジャングルの中の光が少ないところで生き延びるために進化したと考えられます。姿形をかえ時間をかけて生き残るために結果的にいろいろな食中植物ができたと言われます。
 植物だって「生きていたい!」すごい意志があるようです。生命樹の先端にいるというホモサピエンスが、どん欲なまでに、おぞましいくらいに性悪的な生存をするのはある意味理解もできます。人類がこれだけ増えていますと「食べるものが足りなくなる」のでないかと不安になるのです。
 でも私に言わせれば、つつましやかに自然に感謝して、自分たちで天地をも支配できると考えなければ、少しも怖くないと考えています。

植物の分類
 生物学での「分類」は本当に難しく、生物個体そのものがどんどん変化していますので、分類そのものも変化していると思います。私はあくまでも、一素人に過ぎませんので、間違うこともありますので、初めにお断りしておきます。

① 藻類
 わかめ、昆布、などは海藻で纏めて藻類と呼ばれます。葉緑体は持っていますが、ほかの色素があるので、緑色でないことも多く、根茎葉の区別はしにくいのです。
 根は「仮根」と言って、岩に絡みついて個体を固定しているだけの働きです。根から栄養を吸収することはありません。胞子で繁殖します。「海草」とは別の植物で,海草は海に住む種子植物です。

② 苔 
 原始的な陸上植物はコケ類です。コケは蘚類{せんるい}、苔類{たいるい}、ツノゴケ類に分離されます。ツノゴケ類は昔は苔類に入っていたのですが、違いがあるとわかり、別になりました。
熱帯、温帯地方で世界中に広く分布して、他のものと同じで湿気を好み常緑多年草です。

③ シダ類
 恐竜時代から、生き残っている植物で、コケよりさらに、進化しています。根、茎、葉をつくり、陸上生活に合わせて水分や栄養成分が通る道管や師菅{まとめて維管束}などを持っています。花は咲かず、種も作らず、胞子で繁殖します。

④ 種子植物
 種を作る植物で、花を咲かせるために、顕花植物とも呼ばれます。
 イ 裸子植物{らししょくぶつ}子胞が無く、胚珠{はいじゅ}がむき出しです。イチョウ、杉、松等。
 ロ 被子植物{ひししょくぶつ}将来種になる胚珠{はいじゅ}が子胞に包まれています。1億4000万年前に裸子植物から分化したと言われますが、ほかの説もあります。代表は、アブラナ科{キャベツ、大根、白菜、小松菜、チンゲン菜}などですが、「菜の花」というのは「アブラナ科、アブラナ属」の花の総称です。
 そのほかモクレン、クスノキなども被子植物です、植物は沢山あるので、名前を覚えるのが大変です。

⑤ 種子以外で、繁殖する植物
 イ 球根 チューリップ、ヒヤシンス、玉ねぎ、にんにく等。
 ロ 地下茎 ジャガイモ、サツマイモ、などの芋類。花も咲かせるし、種もできますが一般に繁殖させるときは地下茎である芋を使います。