連載コラム

「-モノゴトを行う時期と順序。-」

この記事は約3分で読めます。

2024.02.15

 モノゴトを行うには、時勢(時と場合)と順序が大切だという。
内省していると、私は恥ずかしい位、上手にできなかった。

 自分は物事を遂行するには、余りにも能力不足だと反省しきりだ。

 過ぎたことはもう取り返しが出来ないけども、これからの人には、
私と同じような失敗をしてほしくないと祈る。

 幼いうちにきちんと伝えなくてはいけないのは、人として
「やってはいけない事、やらねばならない事、そしてやってよい事」
など一生その人の生き方を規定してゆく、私的な「法」の確立と自立だ。
それは自己信念、自己哲学、宗教観や道徳観、倫理観などである。

 親や大人の背を見て育つ子どもであるので、大人として責任は重大だ。
しかし私はそれが上手でなかった。

 食べ物は生命の始まりであり、それぞれの動物が
その子に教えているのは、種の保存に必要な「食べ物」である。

 動物はむやみに何でも口にしないのが本来の姿だ。

 人が動物を家畜化したり、自然環境の変化で、
動物達の餌も変化してきている。

 人の子どもでも当然体内に取り入れなくてはならないのや、
体内に取り込んではいけない物などがあるのだ。

 生命維持はどの人にとっても自己責任である。

 この真実を幼いうちに子ども達に伝え、
実行する習慣を付けさせる必要がある。
これについても私は実行出来なかった。

 いま世界は子ども達に盛んに経済力をつけようと
「ビジネスマインド」なるモノを推奨している。

 子ども達の生物としての体力を付けさせようと、子ども向けの
補強補給栄養学も盛んに宣伝されている。

 溢れるばかりの情報を見たり聞いたりして、今になって
感じることは、「その前にすべきことがある」という事だ。

 昔、私がまだ開業医だった頃、若いお母さんが言っていたのだ。

「テレビで赤ん坊向けの商品を見ていると、
私達は『それを使わないといけない』と考えます。」

 今は更に進みその赤ん坊達がもうお父さんお母さんの世代だ。

 ビジネスマインドで株取引や事業の立ち上げ前に「お金の使い方」を
教えるべきでないか?

 いつの時代でも
「質素でつつましやかに生活して節操ある生き方が基本」
であることが大切なのだが、それは教育されているのか?

 便利でジュースすらいつでも宅配してくれるというサービス。

 ボタンが落ちるたびにその衣服を捨てるという娘さん。

 30年前にも、化粧品代が月に5万円以上という奥さんがいた。

 戦争時代を生きてきた私にとって、この世は地獄である。
栄養学で栄養補給や体力補強でさらにお金を出していかねばならない。
その前にやるべきことはきちんと実行しているのか?

 社会は出来る限り無駄なお金を使わないで済むように子ども達を
育てておかないで、それより先にお金稼ぎばかりを言うのは
本末転倒である。

 学校の特定の知識ばかりを基準にして「頭が良い」とか
「頭が良くない」とか、学歴評価で人の価値を考えることの危なかしさが
社会を不幸にしてゆく。

 お金にもその取り扱う世界にも陰陽があると
子ども達には教えるべきなのだ。