連載コラム

「ー私の日本伝統統合医療の考え方はー」

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2023.01.27

「人の天命とは過去を未来へ繋ぐこと」

 私の日本伝統統合医療の考え方は、特に何も特殊なことをするのでないと考えている。つまり健康で普通に生活できるにはどうしたら良いか?というだけで、日本には大昔から素晴らしい智慧と知識があるのでそれを利用しましょうと言う事だけだ。

 私がそう考えたのは「伝統統合医療で日本は遅れているので云々」という学会誌の一文を読んで、不思議に思ったからだった。私はその学会員の一人であったが、私から言えば別にどうという事でもない。その数十年も前から私は当たり前のこととして臨床で実行していた。

 学会では医者が出来る西洋医学的治療のほかにサプリメントなどは入っているが、肝心の病人が出来る「食べ物に対する注意」の指導などは入っていない。あくまでも「モノを売る立場の人びと」に対する指導だけだった。

 そして「日本は遅れている!」と言われて私はがっくりしてしまったのだ。そんな外国の医師達の考え方をあがめる必要もない。自分たちの足元に沢山の宝物があるのだ!という訳で私は「日本の伝統食」を学習し始めた。

 沢山の研究組織があった。その他に民間資格でも沢山の治療法があるとも知った。日本は世界中の人々が集まりその知恵と知識が集まっている。何事も100パーセントのモノは無い。何事も一人ずつが自分に合わせて選んでいくしかない。それを知るには古きを学ぶことから始めるとよい。

 日本はありがたいことに古本、公的図書館施設に恵まれており、こんな文化レベルの高い国は無い。私の「良いとこ取りの寄せ集め」の手当の方法で多くの子どもが病気をしなくなった。エビデンス云々という数字データはどうであれ大人も子どもも普通に生活活動できればそれで充分と私は考える。つまりその分「依存度」が低い。すばらしい「上医の力」が日本にあったのだ。

 「ステロイド使わないでアトピーを治す教祖になっているから、近寄ると危ないよ」とかかりつけの医師に言われたという病人たちもいた。残念ながら私は「教祖」に興味もない。私は私の用が無くなるのがうれしいだけだ。

 そのコツは皆さんが全て天命をもってこの世に存在していると自覚することである。人はその歴史を学ぶとわかるようにこの自然の一部、一時的にいるだけで永遠を保証されてもいない。個人で言えばたった100年足らずの短い期間だけの存在である。人の天命とは過去を未来へ繋ぐことだと私は考えている。だからどの人も過去をきちんと学習してほしい。

 その手っ取り早い方法が身の回りの年寄りたちから、その経験を聞かせてもらう事だ。日本ではその運動が進んでいるというので頼もしい限りと私は遠くから見守りたい。