連載コラム

「ー小さな川から、大きな河へー」

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2023.12.01

 書籍の整理で時々古書のページを開く。
読みこんでいるといつまでも整理は進まないが、好きな言葉に出会うと嬉しくなる。

 私は日本の言語文化もすごいと思う。

「言霊と地霊で人は育つ」と言うのも昔何処かの本に有った言葉だ。
私は若い人々にはとにかく「日記を続けて」とお願いはしていたが、
文章を書くのが苦手な人もいる。

「つまらない。何もすることない」とぼやく人には
「短歌や和歌、川柳、何でもいいから作ってみよう」
と一緒になってやり取りしていた。

 何で日本の文化はこんなに素敵なんだろう?!
窪田空穂先生の歌集もいつか手にしたい欲張りな私だ。

 今日手にした老子の言葉。
大きな河は数知れぬ小さな流れ、川の水を集めて大きくなっている。
そのためには小さな川より低い位置になる。

 政治でも同じと老子は言う。

「水」を沢山集めたいなら、
山を整え小さな清い水が湧き出て小さな川に流れる様に、
そして大きな河になるには低い位置にしなくてはならない。

 それが自然な摂理だと言う。

 人の世では難しいのは今も昔も同じらしい。

 小さな川の水をどんどん上へ吸い上げたら一体どんな社会になるか?
それは非常に不自然だ。

「百姓の心をもって心と為す」も私の好きな言葉だ。
そんな為政者はいるのだろうか?