連載コラム

「-女は三界に家無し。-」

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2024.01.01

「女は三界に家無し」という言葉を知ったのは十代の後半である。

「生まれて親に従い、嫁して夫に従い、老いて子に従う」

 今も時々考え込む。いつごろからこの言葉が生まれたのか?

 人生の先輩たちから学習した限りでは大昔から男性と女性は
並列で無かったそうだ。

 男性が陽で女性が陰という陰陽の考え方も大昔からある。
力学的に強いものが勝つので目立つのだ。

 ところで今はどう考えるとよいのか?

 人は見かけでは分からない。
男性女性の性格もいろいろあるのでパターン化できない。

 私の母の時代の様に女性が学習することを嫌った時代は今はもうないが、
後は本人次第である。

 私は男女の差はないと考えるが性格的に私は外嫌いだ。
母と同じように専業主婦になりたいタイプだ。

 けれどもいざ連れ合いが変化した時、連れ合いに頼っていたらどうなるだろう?

 私が見てきた沢山の症例では、母子家庭は本当に苦労していた。
そんな場合、女性本人が自立する経済力があると子どもは助かっている。

 母の時代は女性は子どもを産む機械で、夫の女中で在り、おもちゃでもあった。

 今は時代が変わり考え方は違ってきている。
「生まれて親に従う」は仕方がないとしても、まず結婚しない女性も多い。

 そして結婚しても働いて稼ぐ。うっかりすると夫より稼ぐ。

 まったく家の中だけで社会と接触しない女性もいる。

 いろいろ立場が異なる。

 一つだけ変わらないのは「老いて子に従う」というのは、本当にその通りだ。

 子ども世代次第である。

 連れ合いが逝ったとたんにさっさと追い出され老人ホームに
入れられる人もいれば、家にいても言われる通りに従わざるを得ない人もいる。

 反面女帝と言われる位に実力を持つ人もいた。

 好き嫌いは全く関係ない。

 私の学習経験では「奪われない財産」をもって次世代に負担をかけない。

 長生きするほどに子孫が幸せになるように先の者が考えて生きるしかない。

 次世代が先に逝く「逆さ縁」の多い時代。
親は決して寝込まない。頭も老化しない努力が必要になる。

「女に三界に家無し」とは言わせないように生きたいものだ。