連載コラム

早くに身体の異変に、気が付く方法

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2023.02.22

 10数年ぶりに出会った知人の声と咳を聞いてすぐ、私は肺がんを疑い、精密検査を勧めたことが有る。

 知人はびっくりして主治医へ飛んで行ったそうだ。主治医は「咳喘息」として治療していたそうで、私が診察もせず、自分の患者に「肺がんの疑い」と言ったのにすごく怒っていたらしい。でも私は何も答えられず、主治医の先生が、検査だけに頼っているのでないか?と考えたけど、仕方がない。其のまま私はまたアメリカへ戻った。

 そして一か月後、息子さんからメールが届いた。知人は私に言われたのが気になり、大病院へ行ったそうだ。そして「肺がんの末期で即入院、治療を受けたが、間に合わなく、亡くなった」とのことだ。

 主治医は精密検査もしていて、近くの公立病院、呼吸器科へも送っていたので、特に手抜きしていたとか、腕が悪いわけでもない。まず人体は刻々と変化しているのを忘れない事だ。病気は初めからすべての症状が出そろうものでない。

 血液、尿などの検査データとか色々な画像診断だけに頼っては、間に合わないと言うことである。

 そして主治医は私の知人の生活史を知らない。タバコに始まり仕事で時にはシンナーを使っているその他知人の生活の様子を知らないのだ。私が利用したのは、自分の五感だけである。

 なんだかの西洋医学的な検査データが出たなら自覚症状は無くてもすぐ手を打つ方が良い。真っ先にやるべきことは、食生活、その他の生活の見直しである。

 自動車で道路を走っていると想像してみるとよい。前の自動車の動きで、「あれ?」と気が付くことが有る。

 それが東洋医学、日本の伝承伝統医学。漢方医学の診察の始まりなのだ。

 ところが西洋医学の診断は路肩に車が突っ込んで初めて気が付く。車がおかしな走行をしていることに対して早くに感じ取る事が出来ないのだ。

 明治初期に東洋医学日本伝統医学の知識が医師教育から切り離されて市中に放り出されてからすでに150年近くなる。

 先進国と言われる中で自国の歴史的な医療知識が、医師教育からは切り離されたのは日本だけである。

 でもすぐその意味の重大さに気が付いた人々がいた。

 薬学科生薬部の方たち、一部の西洋医学の医師達,民間の研究者たちである。

 新コロナ騒動で気が付いた医師達も「医療の本質」を考えようとして東洋医学を学習し始めた医師達が増えたという。

 医師でない人びとが「医師教育に日本伝統医学、東洋医学、漢方医学の教育を含めて欲しい」と声を出している。 

その代表が一般社団法人日本綜合医学会である。

 私が日本で仕事をしていた頃は、むしろ厚生省は、漢方薬を保険適用から外したがっていた。でも時代は進み統合総合医療の必要性も知られるようになった。

 私個人は日本で生まれ5歳から家庭教育で[人体について学習」をはじめ77年以上になる。生きていたい欲望と家庭環境の所為で、今に到って「生きること」にこだわる私である。

 日本での人々の活動に期待しているのだ。日本が元気で生き生きしていれば、そして火を見る戦いに巻き込まれなければ、自然は人々に生きる力を与えてくれる。

 自然に合わせて人が生きていくことの大切さを教えてくれる。

 大量生産、大量消費で多くの病人を作り出す生活様式より、人は苦しくないと知ってきた。

 医師はあくまでも生きる手伝いはしてくれるが、病人の主治医はあくまでも病人本人である。

 事故を起こす前に、運転手は自分の走り方に、気が付くことが必要なのだ。