連載コラム

「-時代の有力者が考える自分の国と自然の「本当の国」との違い。その①-」

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2024.06.18

「地球は生きている」と私は考えている。
いつからそのように考えるようになったのか分からない。

 地球の言葉は自然現象として私達寄生者に伝え続けてきた。
その地球の声を聴くか聴かないかは、個人差だ。

 地球上に生命が誕生して60億年とか
45億年とかいわれて、単細胞生命体が時間をかけて
種々様々な生命体を誕生させてくれた。
長い長い時間をかけて多細胞生物の人体を作ってくれた。

『人体600万年史』(ダニエル・E・リーパーマン著、
塩原通緒訳、ハヤカワノンフイクション出版)で
人体が変化していくさまが書かれているのだが、これが面白い。

 その他、三木成夫著作物はすべて揃えているが、考えてみれば
過去の生物がいなければ、今の私達はいないと分かる。
人生高々100年足らずと言われる中、私が自分で人体を
観察して70年以上になるが本当にいろいろな
人の形の変化を見ることが出来た私は幸せ者だ。

 今回のテーマの社会の有力者という階級が出てきたのは、
高々一万数千年前と言われている。そしてその人々の周りに
色々な仕事の分業が出来た。

 有力者は自分を守るために法律の専門家集団を作り、
賞罰を決めた。有力者は自分の生命や健康を守るために
医療者という専門職を作り、自分の身や
家族の護衛のためにたくさんのボディガードを置いた。

 人は食べずには生きていけない。
有力者は自分で骨折り野菜や穀類を作らないで
奴隷を農民として食べ物を調達させ、
その収穫物を取り上げ、まず自分、そして身の回りの
部下へ配り少しずつ下々へ降ろした。

 一番苦労する人々が一番少ししかもらえない。
子どもは生まれた時から運命的で本当に不平等で不公平だ。

 自由なんてありえない。国という籠の鳥で、
どこに生まれるかで既に人生は決まる。
どの家族の子として生まれるかでもっと厳しい
身動きできない人生が待っている。

 地球では人類が世界中に広がる前には、
どんな声が聞こえていたのだろう?

 地上に人類が上陸した時から、その大地に国が出来始める。
時が経ち、人々がすでに住んでいた地に、波のように
新しく違った道具を持った武装集団が上陸してきた。
先に住んでいた人々はほとんどみな殺されて、
農地も山や川も全部武装集団のものになった。
たった数百年前から始まったことだ。
先に居た人々の子孫はどうなっているのだろう?

 地球の大地はすべてを知っている。
天と地は父母。人類という寄生生物を
住まわせてくれているが、あまりひどいと許してくれない。
いくら人類は偉くなったとしても天地には勝てるものでない。

 人類の歴史を学ぶときは、必ずその大地に
初めて人類が上陸した時からを含めて
「国の歴史」とするべきなのだ。

 時の有力者の「国の歴史」というのは、
ほんの一部の都合の良い部分だけだ。
その大地に初めに上陸したとしても、
その文明文化は消されて、土地は乗っ取られてしまう。
その繰り返しなのだ。