連載コラム

「-改めて、「生きるとは戦い続けること」と知った。-」

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2025.06.15

 自然科学が発達し、便利になる一方で、
自分達の墓穴を掘り続けている気がする。
本当にしんどい話だ。

『身の周りにある有害物とうまく付き合いたいです!』
(水野玲子著、食べもの通信社出版)という本を読んだ。
「ナノ」という言葉に気を付けないといけないと初めて知った。
と言うのは、ずっと以前のことだがある食品メーカーさんに
「『ナノ○○○』を食べてみてください。
今までよりずーっと身体に良いですよ。」と
頼まれたが、お断りした経験があった。

 私はサプリメントアドバイザーでもあるので
幾つかのメーカーさんが色々な商品のサンプルをくださる。
私はそうした商品をできる限り学習して、
私の所に来られる人達にサンプルとして
食べたり飲んだりしていただいていた。

 私はそうした商品は決して自分は口にしなかった。
自分で飲食した場合、本当のことは分からない。
私の感情が入る心配があった。

 だから病人として来られる人々に試してもらっていた。
そしてその結果をメーカーさんにお知らせしていた。
結果的には良い製品が多かったが、高価なのが多かった気がする。

 同時に「医師」という肩書が世の中では
利用価値があると分かった。
「医師が言うのは間違いないのだろう」と
多くの人々は考えるらしいのだ。
若い頃、私自身バイブル商法にひっかかり、ひどい目に会っていた。

 ある有名な医科大学教授で医学博士がその商品のすばらしさを
いろいろ研究データなども添えて本を書いて出版していた。
私はある友人から勧められその商品を買って飲んでいた。

 数か月か数年してその商品はただの
おがくずの煮汁液に過ぎないと分かり、
詐欺事件として逮捕状も出たと新聞記事になった。
1970年代だったと思う。
でもその本を書いた先生は不問だった。

 時間が経て学習を続けていると、昔は分からなかったことが
次第に分かるということが起こる。

「戦い続けないと生きてゆけない」とは、
自分の怠け心との戦いである。
世の中の環境も人体、動物、植物、全て
生命あるものは変化を続けているので、
時代に合わせてその時代の人々が学習し続ける以外ないのだ。

「生きていたかったら、学習続ける以外ないよ」と
子ども時代に教えてくれた母の言葉を思い出す。

「生きるに不必要なことに、お金は使いたくないなあ」
と考えてしまう私だが、世の中は消費者に
無駄使いをさせようと必死になっている。

 消費者は一人ずつが利口になる以外ないのだと
しみじみ考えてしまう。