連載コラム

「-「陰謀」という言葉に、惑わされないで!-」

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2025.03.01

 私が「陰謀」論の話を初めて聞いたのは
もう45年ほど前である。
私の富士見台医院に子どもさん達を連れてきておられた、
複数の教育関係者の中のお一人だった。
本当に頭が良く私などは頭が上がらない。

 その時の私は自分の診療と育児で精一杯で、
世界のことなどあまり考える余裕はなかった。
その先生は「陰謀論」についてあれこれ
教えてくださった気がする。
当時、全く理解できずに聞き流していた私に呆れたのか、
以後次第に離れてしまった。

 改めて「陰謀論」という言葉を聞くようになったのは、
この4~5年前からの新コロナ騒動の始まりの頃だ。
私は自己学習で2018年の終わり頃から内心
「大変なことになった。第3次世界大戦の序曲で
ウイルスが鉄砲玉の代わりに使われている。
それでも計画通り動かなくては」とスケジュールは狂ったが
相変わらず日本を出たり入ったりしていた。
ワクチンで自分はやられると感じていたので、
むろん受ける気はない。

「素人を騙すのは簡単だけど、せっかく学習するなら、
玄人を騙すくらいになれ!」と20代の時、
漢方の師に教えられていた。

 新コロナの情報を見ていると、
とても医療関係者の計画したものでない。
ウイルスとはどんなものか? 人の身体とはどんなものか?
新コロナ騒動を考えた人々は、生身の人について
全く計算されてなかったのだ。

 私自身はびくつきもしなかったが逆に周りから
「言葉に気を付けないと陰謀論者と分類されて
信用を失うよ。」と注意された。
つまりワクチンの賛成も反対もしないことだという。
幸い私は自分の生命、健康を守ることで精一杯で、
有り難いことにそれで危機を乗り越えてきた。

 あまりとやかく言わないのは当然だった。
お裾分けで自分の経験をお話しするが、
それが面白くない立場の人もいるのだろう。
5歳より人体について学習し自分なりに経験もして
研究を続けてきたので、それが私の基準となっている。

 昨日購入したばかりの『これ、本当に「食べ物」ですか?』
(天笠啓祐著、食べもの通信社出版)を読んだ。
頭の中のモヤモヤしていたのが、少しすっきりしてきたのだ。

 世の中でいとも簡単に言われる「陰謀論」という言葉は、
実はおかしな言葉でないかと思える。
「陰で悪だくみをして他人を苦しめる」陰謀者A群なる者達と、
その被害を受ける可哀そうなB群なる者達がいる。
「陰謀論」とは、B群の人々がA群の人達の事を
「あんなことしている! こんなことしている!」と考え
発言することだが、そうしたB群の人々を「陰謀論者」として、
社会からつまはじきする言葉だと私は理解していた。

 ところが学習するほどに、これは
おかしなことでないかと思うようになった。
つまりこれは「世の中で嫌なこと哀しいことというのは
自分は100%悪くなく全て他人が悪い」と考える
「敵」を作り出す構図だ。

 少なくとも今の時代大きな問題である
「医療問題」「食糧問題」等はB群だって問題がある。
特に大人達だ。こんな社会を作り出すのは、
ご先祖含めて大人達である。
過去をきちんと学習しない限り、同じ失敗を繰り返すと思える。

 自分で出来ることは自分でする努力を続けたいものだ。
それは死ぬまで学習し続ける以外ない気がする。