連載コラム

「-「貧乏人は勉強するが、金持ちは勉強しなくてよい」という言葉。-」

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2025.03.15

 皆さんはびっくりなさると思うが、
「貧富の差で勉強する必要はあるかないか」
という話に首をかしげると思う。

 今の時代は学習するのにも大変お金がかかるので、
そう簡単でないのだ。

 実はこの言葉は70年以上前に私が聞いていた言葉で、
またその後もちょくちょく聞いた。

 一番初めに「お金と教育」という事で聴いていたのは、
母が「生活保護の申請」を申し込む時だ。
京都時代である。市役所の人が家に来ていた。
市の職員が母に言っているのを私は聴いていたのだ。
「子どもの教育は中学でやめなさい。教育は贅沢ですから、
学校へ行かせるなら生活保護費は出せません。」

これに母は「貧乏から抜け出すに一番良いのが
子どもを教育することです。学び続けないと
次の世代も貧乏になります」と答えて
生活保護申請を取り下げ、その後は
食事を一日一食にして私達の教科書を買ってくれた。

 神戸と台湾の華僑達は戦後金持ちが多かった。
今でこそ教育するのは別に不思議がられないが、
当時は「女の子にも高等教育を受けさせる」というのは不評だった。
「金持ちは勉強しなくてよいのに。あの人達は稼げないので、
貧乏して子どもに勉強させる。可哀そうな子ども達だよ」と
母の評判はとても悪かった。

 今も子どもの教育費は世界中どこでも同じく、
親にとってはきついものだ。
それでも子どもの将来を考えて親は無理をしてでも
一定の学歴は上げたいと望む。

 金持ちの親達は自分の子どもが表の試験で通過できなくても、
裏の道を使うのでちゃんと学歴は手に入れている。

 教育関係の専門家は言うのだ。
「学校経営は企業活動で当然いかに儲けるか考えねばなりません。
寄付をいただくのは当然です。ただ社会的、法律的制約もあるので、
堂々と出来ないだけのことです。」
学歴とはそうして作られてゆく部分もあると知って、
私は出来るだけお金をかけないで、
「自分に投資しなさいよ」と皆さんにお勧めしていた。
独学中心でよいのだ。そしてお金を貯めたら学校へ行ってよい。

 今思うとお金があろうとなかろうと、
学習する必要は人それぞれにある。
でもせっかく時間を使うなら役に立つのが良い。
今の時代はただの学歴では力不足だ。
学習するとは将来のお金を稼いでいることだ。

「若い時間を無駄にしないように!」と
母はアルバイトを許さなかった。
長姉は成績で勝負し、私は実際に働くことで
学費生活費を稼いだ大学時代だ。
私達の親は子ども達に高校生活をさせるので精一杯だった。

 今に至り私はお伝えしたい。
世の中は食うか食われるかの世界である。
生きていないと意味ないので自分の健康、生命を
維持できる方法を学び、見える、見えないものも沢山あるので
それを学習し続けることだ。

 最後に苦しまないでお別れできれば最高と考えている。
若くして元気な内にその基礎を身に付けるのが得策だよと
お伝えする日々である。