連載コラム

「-「科学には国境がないが、科学者には祖国がある」という言葉。-」

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2025.01.15

「アンタを見るとむかつく。ウザイのだ!」と
日本で言われたことがある。
それで私はモノを言わない努力をしてきた。

 でもどうしても気になることは気になるので、
頭の中でぐるぐる考えて数十年になるが、
この年になって頭から出してしまった方が
健康上良いだろうと思う。

 不老長寿を願って生きてきた自分だ。
寝込まないで普通に生活出来て、出来る限り
人様の世話にもなりたくない。

 そして三途の川はポンと一跨ぎにしたいと
願っているが、カナダと日本の往復もしにくくなった。

 第一、何でもネットで片付く時代になると
哀しいけど置いてけぼりにされる。
しかも旅費は高騰して動きづらい。

 この十年来、世界の変化は激しいと言うが、
私にとっては別に慌てることでもない。

 昔から「人」は本質的に皆同じ。
貧乏人の子でも金持ちの人の子でも皆同じ。
生まれた以上は生きていたいだけだと私は考えている。

 ただ一人ずつ立場が違うので生きてゆく手段が違う。
貧乏から抜け出す方法は、本当の医療知識を身に付け、
出来るだけ自立することだ。
そうすれば、科学する人の部類に入れる。

 今盛んに言われる「フレイル」とか、
私も日本で若い世代の要介護を診てきたが、
何とも言えない気持ちだった。
本人はつらいだろうに、「甘ったれだ!」と
言う人々もいたがそれもどうか?

「しゃんとしたいけど出来ないです!」と言う人々でも
自分で元気になれるのが日本医療文化だ。
「食養生からおばあちゃんの知恵、種々の民間療法に
自然療法、そして鍼灸漢方医学、サプリメントその他、
手あたり次第研究、学習してみてください」と私は伝え続けている。

「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」
という言葉が昔にあったことを思い出す。

 私は科学する人とはどんな人か飽きるほど考えていたが、
科学はやっぱり「本当は何か」研究することだと考えていた。
本当のことは世界中どこでも共通しているはずなのだ。

 ではなぜ「科学者は祖国がある」というのだろう?
そもそも祖国とは何か? 私は理解できていない。

 祖国は力で維持されているものなのかもしれない。
だから科学者も自由になれないのかもしれない。

 この5~6年の世界の科学者と呼ばれている人達の話を
ネットでよく見るが、ネット自体バーチャルの世界だから、
どこまで信用できるか分からないけど、
科学者達も可哀そうだと思えることがある。
数百年後の科学史で今の状況はどう評価されるのだろう?