2026.06.15
私が小学生の頃、父が漢文を教えてくれていた。
その時「菜根譚」を読み下し文で暗唱させられていた。
でも物忘れが激しい私はすぐ忘れる。
大人になって思い出しては本を買った。
引っ越しが多く、見つからないとまた買ってしまう。
今回、私の終着場所で書籍類の
整理に明け暮れる私だが一冊見つかった。
徳間書店、第36刷(1985年1月)。
訳者は神子、吉田両氏だ。
「菜根譚」は16~17世紀の中国で生きた洪自誠の随筆である。
この本が日本へ伝えられたのが江戸中期というから、
丁度日本の一般の人々の食生活が変化し始めた頃である。
今21世紀前半で日本にはどんどん外国から人々が押し寄せ
色々な国の子孫達がそれこそ生き延びようとしのぎを削り、
元からいる日本の人々の切ない思いが海外へも波及している。
一方で日本にいた人々も、三安の住(安心、安全、安定)を求めて、
世界へ広がっていったのは昔からだ。
私は日本で60年以上臨床医をしていたのでよく聴いていたが、
それも全体から言うとほんの少しの人々だと分かる。
今海外から日本へ入ってくるのも、本国では
ほんの一部の人々なのだろう。
人類の歴史を見ても人は常に地上をさまよっている。
改めて「菜根譚」を読み直すのも面白そうなので、
じっくり構えることにした。
読書は同じ本でも読む時期によって
感じ方が違ってくる。それが面白い。
この本が書かれた中国、明の時代は
現代の日本にも似ている気がする。
“内政に於ける困難も次第に深刻化してきた。
君主独裁制にとって、避けることのできない寄生階級の増大と
腐敗が最大の要因である。皇族、高級官僚,宦官等の
とめどもない増加によって、帝室費は膨れ上がり、
たびたびの増税は腐敗した官僚の私腹を肥やすばかりで、
人民の不満も湧き立てるにかかわらず、
国家財政の立て直しには役立たなかった。”
(本書 P.18「洪自誠の生きた時代」より)
結局私は今「医、食、住」に恵まれ、
こんなにのんびり終活ができているのだと分かる。
私はお裾分けに皆さんにお伝えしておきたい。
私のように医科大学へ無理して行かなくてもよい。
身近にある日本医療文化を正しく独学して、
自分の身体を守ることが一番大切だ。
疫学的には、まともな生活をしていればそれで予防になる。
「疫学」は政治行政、法制分野の責任なのだ。
人はできれば何か医療ライセンスとして取っておけば、
一生いざの時には自分、自分の家族、身の回りの人々も助けられる。
東日本大震災の時、現場へ派遣された医師達の中での声では、
「鍼灸の知識が一番役立つと思った」そうだ。
私に言わせれば、被災者自身が日頃から
自分を助ける学習をしていればよいだけである。
だから私は「人類は生存のための教育をしていたのだろうか?」
と思い、教育の歴史を調べていた。
私の知る限りあまり本気でなされてこなかった気がする。
医療において「他人に頼らなくて済む」という「医の自立」は、
特に世界中の人類の子孫にとって、一番の福音になると信じる私だ。
「菜根譚」が皆さんにどうメッセージを送ってくれるのだろうか?
日本の皆さんは世界でも珍しいくらい知的レベルが高いので、
きっともう手にしているのだろう。


