TORJA「漢方内科医の手当て」

「『TORJA』2025年7月号掲載「漢方内科医の手当て」~東洋医薬と西洋医薬の処方の仕方の違い~」

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 西洋医薬品は一つずつの症状を消すために研究され製造されていますので大量生産でき、処方もパターン化されています。その病人の身体が示す症状、病人の訴える苦痛を軽減・消失させるのを目的としています。しかし、ほとんどの西洋医薬は人工的に化学合成されたもので副作用、副反応も多いのです。

 例えば「眠れない」症状なら、寝かす薬を使えば良いだけで、その薬で新しい症状が出れば次はその新しい症状を消す薬を与えれば良い、という考え方なのです。西洋医薬品だけを使って治療していますとモグラ叩きしている気がします。これでは病人はなかなか医師の所から卒業できません。

 では漢方薬の処方はと言いますと、正直に言えばとてもめんどくさいものです。漢方薬の処方のめんどくさい点は、証(しょう)に合わせないといけない点で、同じ不眠症でもその原因は何かで処方が違ってきます。さらに全身を診察して、体力のあるなし(実か虚か? 表か裏か?)など考えて処方するので時間がかかり、全身を考えるのでまたさらに時間がかかります。検査という手段もなく、もっぱら医療者の経験と勘に頼る以外ないのです。ただ、薬の素材は自然界にあるものを使いますので、副作用や副反応が少なくて済みます。

 西洋医学での治療も東洋医学での治療も100%完璧な医術ではないのです。
 
 東洋医学は漢方薬以外にも鍼灸、指圧、マッサージなどいろいろあります。日本でも食養生学があるように中国台湾でも薬膳学があります。各々に個性的ですが近年は、日本に住む人々には、日本の昔から伝わってきた安全な日本の伝統食が一番良いと言われています。人々が生きて集団で生活していたということは、医療はその大昔から各々の地域で存在していたということです。医療記述として残っていなくても言い伝えとして各々の地域で伝えられ、それが智恵として残っていきます。全て過去からの経験の蓄積です。

 日本という大地に人類が初めて上陸したのが3~4万年前からと言われています。以来日本はずっと江戸中期~後期まで、日本の伝統伝承医学として伝えられてきました。今の日本には、そうした大昔から最新の医学知識まで全てあります。日本の医療文化は世界一です。

 西洋医学の治療だけで治りきらない人は、他にも色々な手当てや治療方法があることを知り、自分で自分に合う方法を探してほしいものです。安くて身近で結果良い治療方法があります。