自然酢の実例として私自身の経験も一つ紹介します。
ある時、元職員たちと集まって会食をすることになりました。皆さん気を使ってくださって近所のお寿司屋さんに決めてくれました。そのお店へ行く途中、私は道の段差に気付かず足をつまずかせ、道中で前につんのめって顔の左側を道のコンクリートに擦ってしまったのです。
道行く人が驚いていましたが、私は立ち上がると急いでそのお寿司屋さんへ飛び込み「すみません! お酢をください!」と大きな声で言ってしまいました。
そして酢をひたしたハンカチでずる剥けてしまった左頬をゆっくり拭きました。始めは痛い感じがしたのですが、お寿司を食べながらおしゃべりしている内に顔のこともすっかり忘れました。もちろん帰宅してきちんと手当てし直しましたが、しばらくすると跡形もなくなりました。皮膚の再生能力は素晴らしいのです。
上の例でも自然酢を外用薬として使いましたが、他にも「皮膚・頭皮掻痒症」「アトピー性皮膚炎」「真菌・カビ類の感染症」等によく使います。特に日本は高温多湿ですので大昔から様々な症状に自然酢が利用されてきました。
利用法の一つとして野草の酢漬けがあります。代表格はアロエ酢です。アロエは沢山種類がありますが、中でも一般的なのがキダチアロエとアロエベラで、私はどちらも利用しています。アロエ酢は内服にも外用にも使えますが、内服する場合は多すぎないよう気を付けること。なぜならアロエには冷やす作用と炎症を止める作用があるからです。大人でも大さじ2杯まででしょう。
アロエは高血圧症、低血圧症、動脈硬化、糖尿病、便秘や下痢などにも使われ昔から「医者いらず」と言われています。
●自家製アロエ酢の作り方
梅酒を作るガラス瓶をきれいに洗って中も乾かします。アロエは葉をはがし、流水で汚れを落としたら水気をふき取ります。トゲ取りはする人もしない人もいますが、葉は皮つきのままみじん切りし、ガラス瓶の三分の一まで入れます。そこに自然酢を瓶の肩まで入れて、そのまま蓋して冷暗所へ置きます。2週間程で完成ですが半年は寝かせるという人もいます。
使う分をガラス瓶に移して食卓に置いてもいいでしょう。梅酒瓶の酢が少なくなったら、中身をミキサーにかけてからまた瓶へ戻し、もう一度自然酢を追加します。この二番漬けを使い終わったら、そのかすはお湯を加えてお茶代わりに飲むこともできます。