季節の変わり目には粘膜が敏感に反応して人それぞれに症状が出ます。よくあるくしゃみ、鼻水、鼻づまりで風邪気味かと思った時、いろいろな対処方法があります。
- お灸をしてもらう…人により鍼灸だけで治まることもあります。ツボを知っておくと便利です。
- 漢方薬を煎じて飲む…日本の漢方薬の処方と中国で処方される方法は違います。漢方薬は人によって違いますので、私は誰でも使える方法をお伝えするようにしています。
[ア]ショウガをすりおろして、ラカンカの煎じ液と混ぜて温かいうちに飲む。
[イ]更に板藍根のエキスパウダーの一回分を混ぜて飲んで早くに寝る。
[ウ]ビタミンCや、葉緑素(緑の葉野菜など)を多めに補給。インフルエンザ、新コロナなども食養生とすべてこんな単純な方法で、ご自分で手当てするよう指導してきました。
板藍根は、藍という植物の根を使ったものですが、詳しくは2009年日本で新インフルエンザが流行した時に私が薬局向けに書いた「使い方」がインターネットの「日本サプリメント協会」のホームページにあります。中華系薬局にも売っていると思います。市販の総合感冒薬「ルル」「パブロン」と同じと考えてよいでしょう。
羅漢果は果物を乾燥加工したもので働きは、滋養、強壮、咳止め、去痰です。しかもカロリーがほとんどなく、天然の甘さは砂糖の10倍とも言われますので、糖尿病の人々に好まれます。今はエキス顆粒としても売られていますが、成分100%のを使ってください。私は中華スーパーでも売っている丸い原形のものを使います。ティッシュで埃を拭き取って手で潰して煎じるだけです。飲みやすいように薄めてください。
[エ]喉がイガイガして痛い時、塩番茶でうがいする。ニンニク塩湯でうがいし、一口飲み込む。これに甘草のエキス粉末があればなお良いです。作り方は、ニンニク一片をすりおろし、水200mLに自然食用塩を少し濃いめに加え溶かす。更に甘草末があれば0.5gから0.7g程度を加え、かき混ぜて2~3分置きます。そして茶こしで濾してください。このうがい液は私は冷蔵庫の中で2~3日は保ちます。喉が腫れやすい人は普段から甘いものを断ち、無農薬玄米、野菜食、小魚、豆、海藻中心の日本の伝統食を食べるようにします。
以前も開業時に、兄弟で年がら年中喉が真っ赤に腫れ、その度に耳鼻科で抗生物質をもらって飲んでいた方々らが来院しました。その繰り返しを止める方法はないかと言われこのうがいをお勧めしました。以後一回も喉の炎症は起こさないとのことでした。お医者さんにかかる前に自分で出来る手当てを知っておくと良いですね。
王瑞雲(オウ ズイウン) プロフィール
1940年神戸生まれ。小中校の成績は中の下。数学が苦手。日本医師国家試験を
最年少で合格。東京大学附属小児科医局員研究生を経て東京都国立市に開業。
聴診器一本に漢方と食養をメインとした診察スタイルで60年以上の診療経験。
新聞コラム連載、著書多数。現在トロント在住。