TORJA「漢方内科医の手当て」

「『TORJA』2024年12月号掲載「漢方内科医の手当て」~いつも全身で一人と考える~」

この記事は約2分で読めます。

 皆さんは病気のことは「お医者さん」という専門職の人達に任せておけば大丈夫と考えていませんか? さらに医術者の中の専門家はもっと素晴らしい、自分の生命を守ってくれる人たちだと考えていませんか?

 本当のことを言いますと一番自分の身体を理解できるのは本人だけです。ただ知識がないので知ることが出来ないだけです。一人ずつ身体は誰ともつながっていないので誰も本当には理解できないし、自分で自分を知ろうとしないと何も分からない、親がどんなに子どもの事を愛したとしても分かるものではないのです。

 外国へ往診を頼まれて行った時のこと。その患者さんはある時、急に胃袋のあたりが痛くなったので胃の専門医で診てもらったそうです。しかし検査しても全く何もないので「ストレス性胃痛」と診断され薬を飲まされていました。実は「胆管癌」だったのですが、もう手が付けられない状態で私からできるアドバイスはほとんどありませんでした。

 日本でもそのようなことはたくさんあります。今の病院の医師たちは全身観察し、感じ取るといった訓練を受けていないため検査に頼るのです。

 膀胱癌で泌尿器科専門病院に入院していた男性がいました。手術を受けて退院後すぐお腹が痛いと私の所へ来ました。内臓の様子は外から診ただけではほとんどわかりませんので、検査と合わせて考える必要があります。すぐ近くの公立病院を紹介しましたが、そこで「胃癌の第4期」と診断されました。こうなるともう手遅れです。しばらく後に、その方のご家族から治療はやむなく断念したと聞きました。
 ある70代の女性、心臓が変だということで心臓専門病院に入院していました。いろいろ検査と服薬で何とか症状が良くなったと退院して二日目の夜、今度はお腹が痛くなり吐きました。すぐに総合病院の救急外来に行ったところ結果はすい臓癌。しかもすでに転移しており、まもなくこの世とお別れです。

 どうしてお医者さんは患者さんを一部分しか診てないのだろう? 私が不思議に思うことです。

 調子がおかしいと感じたら、自分で自分の生活を見直しましょう。

 食べ物は生命ある食べ物ですか? 人は他の生命を食べることで生きています。工場製品で大量生産される超加工製品では生命の維持は難しいのです。
 また、今の時代は周りは毒だらけといわれています。地理的環境や化学薬品、放射能、電磁波、政治状態も体調不良の原因となっていることが多いです。