TORJA「漢方内科医の手当て」

「『TORJA』2024年10月号掲載「漢方内科医の手当て」~呼吸器系の病状でも皮膚から予防する~」

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 先月、南天の実について少し紹介しましたが、この実は目にも良いとされ葉っぱや茎にもいろいろな働きがあります。南天に限らず植物の力は一つだけではありません。病気予防に身近で常用されるものはたくさんあります。興味がある方は普段から薬用植物や薬用、食用野草についての書物を広げる習慣を持つと生きる上で助かります。最近はネットでも学習できます。

 昔からの経験に基づく手当てを学習することは、医療の基本です。日本には素晴らしい医療文化があり、私は世界一だと考えています。食養生学、自然療法、民間療法、指圧、鍼灸、マッサージ、運動療法、漢方薬その他「身近で安くって良い結果」を出せる治療法があるのです。

 喘息だって難しくありません。

①第一に温冷浴があります。赤ちゃんからしてあげられる皮膚鍛錬法の一つです。お風呂でよく温まったら冷水を絞ったタオルで全身を拭いてあげ、それからバスタオルで全身の水気をふき取るのです。決してじゃぶじゃぶで湯気を立てている赤ん坊を即バスタオルという風にはしないでください。毛穴をきちんと閉めてからにするのです。

 赤ちゃんが大きくなってきたら、お風呂場で上がり湯を掛けた後、冷水と温水を交互に3~4回かぶり、最後は温水をかぶり、冷たい硬く絞ったタオルで拭く。そして風呂場を出てからバスタオルです。

②冷たい食べ物・飲み物はできるだけ控えめにします。暑い時ほど温かいものを食べ、熱いお茶を飲むようにします。

③料理自体は冷たくなくとも体内の余熱を取り除く力がある食材を清涼食品と呼んでいます。この清涼食品は季節の旬の食べ物かつ地産地消が理想です。もちろん不耕起栽培又は有機栽培のものが良いですが、なかなか入手できにくいかもしれません。庭やプランターでもよいのですが少し自給自足をするのも良いです。

④寒い季節は「頭寒足熱」を心がけてください。冬場は風邪や呼吸器系の病気が色々流行しますが、基本は体力、免疫力を落とさないことです。特に血行が良くないといろいろ不調なところが出ます。日本では昔から「気血水の巡りが健康のバロメーター」とされ「頭寒足熱」が大切です。

⑤その他におすすめの食品としては、普段から生姜類をすりおろし、小匙1杯食べると良いでしょう。毎日自然酢を大匙1杯薄めて飲む。クロロフィル(葉緑素)や酵素類の補給なども風邪をひかない方法と言われています。

⑥そして養生の基本は質の良い睡眠です。